「ビッグバンドがどういうものなのか知りたい」
「これからビッグバンドを始めるが、どの作品から聞けば良いか分からない」
そんな方にお勧めのアルバム、それがカウント・ベイシー楽団(Count Basie Orchestra)がリリースした『ストレート・アヘッド』(Basie Straight Ahead)だ。
カウント・ベイシーはデューク・エリントン(Duke Ellington)、ベニー・グッドマン(Benny Goodman)、グレン・ミラー(Glenn Miller)と共に、ビッグバンドの存在を世に知らしめた一人。50年以上ビッグバンドを率いたベイシーは、数多くの名盤を生み出し、グラミー賞も複数回受賞。ビッグバンド界のみならず、ジャズ界でもレジェンド的存在のピアニスト&バンドリーダーだ。
『ストレート・アヘッド』(Basie Straight Ahead)はベイシーの60年代を代表する作品でもあり、また彼が初めてサミー・ネスティコ(Sammy Nestico)と共作したアルバムでもある。
ネスティコはアメリカ出身の作曲家・アレンジャーであり、ビッグバンド向けの曲を600曲以上手がけている有名な音楽家。
彼の作曲・編曲したナンバーは世界各地のビッグバンドで演奏されており、このジャンルにおいて彼の名を知らぬプレイヤーはいないだろう。
ネスティコは今作をきっかけに約15年もの間、カウント・ベイシー楽団の作曲家・アレンジャーとして活躍。
1971年の『ハヴ・ア・ナイス・デイ』(Have a Nice Day)や、グラミー賞を受賞した『ウォーム・ブリーズ』(Warm Breeze)など、多くの名作をベイシーと共にこの世に送り出している。
ネスティコが生み出す楽曲は、白人らしさのあるキャッチーなものが多い。
1968年にリリースされた『ストレート・アヘッド』(Basie Straight Ahead)の収録曲も、例に漏れず聴き心地のよいナンバーが並んでいる。
マイナー調でアップテンポの"Switch in Time"や、暖かさのある"Hay Burner"、"The Queen Bee"も人気の高い楽曲。"It's Oh, So Nice" 、"Fun Time"もベイシーらしさのある親しみやすいナンバーだ。
どの楽曲でも「スウィング・ダイナミクス・ソロ」の要素が詰め込まれており、楽しめるものばかり。
ビッグバンドに必要なモノは全て、このアルバムから学ぶことが出来るだろう。
ビッグバンドのバイブル的存在『ストレート・アヘッド』(Basie Straight Ahead)は、これからビッグバンドを楽しみたい方に最も適したアルバムである。
Basie Straight Ahead - Track Listing
No. | Title | Soloist | Length |
1. | Basie - Straight Ahead | Eric Dixon - Tenor Saxophone | 3:56 |
2. | It's Oh, So Nice | Grover Mitchell - Trombone | 4:10 |
3. | Lonely Street | Marshall Royal - Alto Saxophone | 2:53 |
4. | Fun Time | Eric Dixon - Flute | 3:52 |
5. | Magic Flea | Eddie "Lockjaw" Davis - Tenor Saxophone | 3:09 |
6. | Switch in Time | Al Aarons - Trumpet, Eric Dixon - Tenor Saxophone, Harold Jones - Drum | 3:58 |
7. | Hay Burner | - | 4:16 |
8. | That Warm Feeling | - | 3:33 |
9. | The Queen Bee | Eric Dixon - Tenor Saxophone, Count Basie - Piano | 4:13 |
Basie Straight Ahead - Credit
カウント・ベイシー(Count Basie)- ピアノ
マーシャル・ロイヤル (Marshall Royal)- アルトサックス
ボビー・プレイター (Bobby Plater)- アルトサックス、フルート、ピッコロ
エリック・ディクソン(Eric Dixon)- テナーサックス、フルート、ピッコロ
エディー・"ロックジョウ"・デイヴィス(Eddie "Lockjaw" Davis)- テナーサックス
チャールズ・フォウクス(Charles Fowlkes)- バリトンサックス
ジーン・コー(Gene Coe)- トランペット
ジョージ・コーン(George Cohn)- トランペット
オスカー・ブラッシャー(Oscar Brashear)- トランペット
アル・アーロンズ(Al Aarons)- トランペット
グローヴァー・ミッチェル(Grover Mitchell)- トロンボーン
リチャード・ブーン(Richard Boone)- トロンボーン
ビル・ヒューズ(Bill Hughes)- トロンボーン
スティーヴ・ギャロウェイ(Steve Galloway)- トロンボーン
フレディ・グリーン(Freddie Green)- ギター
ハロルド・ジョーンズ(Harold Jones)- ドラム
ノーマン・キーナン (Norman Keenan) - ベース
サミー・ネスティコ(Sammy Nestico)- ピアノ(Track 8)