バッキー・ピザレリ（Bucky Pizzarelli）ファン必読の教則本。『マスター・ジャズギター: ソロコレクション』（Master Jazz Guitar: Solo Collection）

60年以上に渡り、ジャズ界のレジェント達を陰で支えてきた7弦ギタリスト、バッキー・ピザレリ（Bucky Pizzarelli）。
リズムギターを得意としているため、「バッキーと言えば、四つ切りバッキング」という方も多いのではないだろうか。
しかし、バッキーの魅力はそれだけではない。
ギターソロ、コードソロ、ソロギターなども熟すマルチプレイヤーでもあるのだ。
今回はバッキー・ピザレリの「ソロギタリスト」としての側面をフューチャーした教則本『マスター・ジャズギター: ソロコレクション』（Master Jazz Guitar: Solo Collection）を紹介しよう。

この教則本は、バッキーがリリースしたソロギターの楽曲を1枚のCDにまとめ、それをタブ譜にしたもの。合計33曲が譜面化されており、音源も付いてくるお得な商品なのだ。
しかもこの音源は教則本用ではなく、バッキーが実際にアルバムに収録した"本物"の曲。
プロジャズギタリストのソロギターを学びたい人にとって、うってつけの作品だと言えるだろう。

収録曲は"All the Things You Are"や"Cry Me a River"、"Smoke Gets In Your Eyes"などジャズの定番曲ばかり。
おすすめはバッキーのコードソロが堪能できる"Stompin' at the Savoy"。難易度は高いものの、"バッキーらしさ"を学ぶためには必須のナンバーである。
また、"Jersey Bounce"ではベーシストのジェイ・レオンハート（Jay Leonhart）が参加。ベースとのデュオ演奏のため、ソロギターというよりもコードソロを学ぶのに最適だ。

楽曲のほとんどは、バッキーのソロギター・アルバム『エープリル・キス』（April Kisses）、『ワン・モーニング・イン・メイ』（One Morning in May）から選出されている。
そのため、上記のアルバムを視聴し気に入った場合は、購入を検討してみては如何だろうか。

注意点としては、タブ譜があるものの著作権の関係でCDに含まれていない楽曲が3つある。
それらは参考音源がないため、事前に確認しておいたほうがよいだろう。
（"All the Things You Are"、"Do Nothing Till You Hear From Me"、"I Could Write a Book"）

この教則本を分析し学習していけば、必ず自分のジャズギター人生の役に立つだろう。
それは明日かもしれないし、10年後かもしれない。
ジャズはそれほどに奥が深く、また探求しがいのある音楽なのだ。

Master Jazz Guitar: Solo Collection - Track Listing

Master Jazz Guitar: Solo Collection - Credit

バッキー・ピザレリ（Bucky Pizzarelli）- ギター
ジェイ・レオンハート（Jay Leonhart）- ベース（Track 20）