
ジャズギタリストである浅葉裕文が自身初のソロギターアルバム『ロッキン・チェア』(Rockin’ Chair)をリリースした。
浅葉は若手ミュージシャンながら、2017年に横濱ジャズプロムナードのコンペティションでグランプリを受賞。翌年には、アメリカのデトロイト・ジャズ・フェスティバルに出演するなど、輝かしい経歴を刻んでいる。
2020年11月にリリースされた今作は、浅葉の敬愛するバーニー・ケッセルを彷彿とさせる、深みのあるアルバムに仕上がった。
1曲目には名曲”Somewhere Over The Rainbow”をチョイス。浅葉はこの曲を2019年に行われた「台中ジャズフェスティバル」でも演奏しており、オーディエンスを沸かせていた。原曲を活かした素直なアレンジが光る楽曲だ。
アルバムのタイトルにもなった”Rockin' Chair”は、1929年にホーギー・カーマイケル(Hoagy Carmichael)が作曲したバラードナンバー。この曲は映画「真夏の夜のジャズ」で使用されており、作中ではルイ・アームストロングとジャック・ティーガーデンが演奏している。浅葉もこの作品も見て今回のアルバムに収録することを決意したそうだ。
3曲目”Happy Little Song”は、バーニーが作曲したノリの良いナンバー。原曲を忠実に再現した演奏で「日本のバーニー・ケッセル」に恥じないサウンドを堪能できる。
ビリー・ホリデーが歌い有名となった"Some Other Spring"は4曲目に収録。浅葉自身はアニタ・オデイ(Anita O'Day)や、アート・テイタム(Art Tatum)のバージョンがお気に入りだそうだ。今作のアレンジでは浅葉らしい、原曲のメロディーを活かした「深みのある、古き良きサウンド」を楽しめる。
5曲目には1934年にフランク・パーキンス (Frank Perkins) が作曲した”Stars Fell on Alabama”が選ばれている。ジャズを代表する楽曲でもあり、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)や、エラ・フィッツジェラルド(Ella Jane Fitzgerald)など、100組以上のアーティストがカバーしている名曲だ。今作では低音を活かしたジャズギターらしいアレンジが施されている。
全5曲を通して伝統的なジャズギターサウンドを楽しめる作品『ロッキン・チェア』(Rockin’ Chair)。
「昔ながらのジャズを楽しみたい」そんな方は是非一度視聴してみてほしい。
Rockin’ Chair - Track Listing
No. | Title | Writer | length |
1. | Somewhere Over The Rainbow | Harold Arlen | 2:51 |
2. | Rockin' Chair | Hoagy Carmichael | 3:35 |
3. | Happy Little Song | Barney Kessel | 2:29 |
4. | Some Other Spring | Irene Kitchings | 2:06 |
5. | Stars Fell On Alabama | Frank Perkins | 2:53 |
Rockin’ Chair - Credit
浅葉裕文(Hirofumi Asaba)- ギター