1999年にカリフォルニア州で結成したメタル・バンド、アヴェンジド・セヴンフォールド(Avenged Sevenfold)。
結成当初はメタルコア調の楽曲を中心に演奏していたが、2004年にワーナー・ブラザース・レコードへ移籍して以降、オリジナリティ溢れるナンバーを多く作曲。
現在では、ワールド・クラスのメタル・バンドへと成長したグループである。
アヴェンジド・セヴンフォールドは、2001年に1stアルバム『サウンディング・ザ・セヴンス・トランペット』(Sounding the Seventh Trumpet)、2003年に2ndアルバム『ウェイキング・ザ・フォーレン』(Waking the Fallen)をリリース。前述したとおり、どちらもメタルコア調の楽曲が中心で”聞く人を選ぶ”アルバムと言えるだろう。
しかし、2005年にリリースした『シティ・オブ・イーヴル』(City of Evil)から、彼らのスタイルは大きく変わった。よりメロディーに重きを置き、更にパワフルな楽曲がアルバムを占めるようになったのだ。
この頃から”アヴェンジド・セヴンフォールドのサウンド”が確立していったように思う。
3rdアルバムを制作するにあたり、彼らは「新たなスタイルでアルバムを作りたい」と考えていた。ボーカルのM.シャドウズ(M. Shadows)は、制作初期段階の様子を以下のように語っている。
「俺達が好きなバンドは、別にめちゃくちゃ激しいサウンドのグループじゃないことに気づいたんだ。彼らはすげぇメロディアスな曲を書いて、それでもヘビーなんだよ。」
また、今作は「ブラインド・ガーディアン(BLIND GUARDIAN)、ソナタ・アークティカ(Sonata Arctica)、ハロウィン(Helloween)、チルドレン・オブ・ボドム(Children of Bodom)らに影響を受けた」ともインタビューで答えている。
M.シャドウズのボーカルスタイルにも大きな変化が見られた。
1stアルバム、2ndアルバムではシャウト系のボーカルラインだったが、『シティ・オブ・イーヴル』(City of Evil)ではパワフルでメロディアスなラインが多く登場。ボーカル・コーチにアクセル・ローズ(Axl Rose)やクリス・コーネル(Chris Cornell)と共演歴のあるロン・アンダーソン(Ron Anderson)が加わったことも大きな要因だろう。
ロンとのレコーディングについて、M.シャドウズは以下のように語っている。
「ロンは俺にトーンを保ちながらボーカルにグリットを持たせる方法を教えてくれたんだ。彼はテクニックも含め、本当に色々なことを俺の歌に与えてくれた。ロンに”他の誰とも違う声で歌いたい”って話をしたこともあったな。」
様々な面でこれまでと大きく異なるアルバムとなった『シティ・オブ・イーヴル』(City of Evil)は、初週で30,000枚の売上を突破し、ビルボードチャートで30位を獲得。ローリングストーン誌も本作を「素晴らしいギターワーク」と褒めたたえ、3星の評価を与えている。
ドイツのメタル誌、メタル・ハマーも「楽しみながら、自身のスタイルを示した作品」とコメント。各方面から高評価を獲得した本アルバムは100万枚以上を売り上げ、現在では「メタルの名盤」の一つとしても数えられるまでになった。
City of Evil - Track Listing
No. | Title | Writer | Length |
1. | Beast and the Harlot | Avenged Sevenfold | 5:42 |
2. | Burn It Down | Avenged Sevenfold | 5:00 |
3. | Blinded in Chains | Avenged Sevenfold | 6:34 |
4. | Bat Country | Avenged Sevenfold | 5:13 |
5. | Trashed and Scattered | Avenged Sevenfold | 5:53 |
6. | Seize the Day | Avenged Sevenfold | 5:35 |
7. | Sidewinder | Avenged Sevenfold | 7:01 |
8. | The Wicked End | Avenged Sevenfold | 7:10 |
9. | Strength of the World | Avenged Sevenfold | 9:14 |
10. | Betrayed | Avenged Sevenfold | 6:47 |
11. | M.I.A. | Avenged Sevenfold | 8:48 |
City of Evil - Credit
M.シャドウズ(M. Shadows)- リードボーカル、バックボーカル
ザッキー・ヴェンジェンス(Zacky Vengeance)- リズムギター、アコースティックギター(Track 10)、バックボーカル
ザ・レヴ(The Rev)- ドラム、パーカッション、バックボーカル、ピアノ
シニスター・ゲイツ(Synyster Gates)- リードギター、バックボーカル
ジョニー・クライスト(Johnny Christ)- ベース、バックボーカル