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ディズニーの名曲達がジャジーに変身『ディズニー ジャズ・アルバム~ビッグバンド・ナウ!~』(Disney's Jazz Album Big Band Now!)

「ディズニー ジャズ・アルバム~ビッグバンド・ナウ!~」(Disney's Jazz Album Big Band Now!)

東京ディズニーランド/東京ディズニーシーでは、園内で流れている曲をはじめ、パレード、マーチングバンド、ブロードウェイ・ミュージックシアターで行われているショー「ビッグバンドビート」など、様々な音楽を楽しむことが出来る場所でもある。
そんなディズニーの名曲達をジャジーにアレンジし、一枚の作品となった。
それが、2009年に発売された『ディズニー ジャズ・アルバム~ビッグバンド・ナウ!~』(Disney's Jazz Album Big Band Now!)だ。
このアルバムに収録されている曲は、ディズニーファンでなくとも、一度は耳にしたことがあるであろう、知名度の高いものが多い。また"ジャズアルバム"と銘打っているだけあり、楽曲達はしっかりと"スウィング"しており、心弾むアレンジが成されている。
注意点としては、タイトルに「ビッグ・バンド」と入っているが、全曲にビッグバンドのアレンジが施されているわけではない、ということぐらいか。

Disney's Jazz Album Big Band Now! - Track Listing

No.TitleWriterLength
1.スイングがなければ意味がない [東京ディズニーシー(R) ビッグバンドビート]Duke Ellington3:59
2.星に願いを [ピノキオ]Leigh Harline and Ned Washington6:47
3.モンスターズ・インク [モンスターズ・インク]Randy Newman2:07
4.メインストリート・エレクトリカルパレード [ディズニーランド(R)]Perrey & Kingsley3:33
5.アンダー・ザ・シー [リトル・マーメイド]Alan Menken4:47
6.不思議の国のアリス [不思議の国のアリス]Sammy Fain3:59
7.チム・チム・チェリー [メリー・ポピンズ]Robert B. Sherman & Richard M. Sherman3:26
8.君はともだち [トイ・ストーリー]Randy Newman2:55
9.ジッパ・ディー・ドゥー・ダー [南部の唄]Allie Wrubel3:29
10.彼こそが海賊 [パイレーツ・オブ・カリビアン]Klaus Badelt4:06
11.みんな猫になりたいのさ [おしゃれキャット]Al Rinker2:47
12.君がいないと [モンスターズ・インク]Randy Newman3:38
13.町のクルエラ [101匹わんちゃん]Mel Leven3:29
14.これが恋かしら [シンデレラ]Mack David, Jerry Livingston, and Al Hoffman3:24
15.ザ・ベアー・ネセシティ [ジャングル・ブック]Terry Gilkyson4:49
16.タイム・オブ・ユア・ライフ [バグズ・ライフ]Randy Newman3:12

Background & Reception

1曲目「スイングがなければ意味がない」(It Don't Mean a thing)は、東京ディズニーシーのビッグバンドビートのOPを飾ることが多い、ファンにはお馴染みのナンバー。オリジナルは1932年、デューク・エリントン(Duke Ellington)により作曲され、今日でもジャズの定番曲として広く知られている。原曲よりも垢抜けており、ゴージャスなアレンジが施されている為、多くのディズニーファンの心を掴んでいるのだろう。
次の「星に願いを」(When You Wish upon a Star)もジャズでよく演奏されるナンバー。1940年のディズニー映画「ピノキオ」の主題歌として歌われ、その年のアカデミー賞である歌曲賞を受賞して以降、ディズニーを象徴する代表的な曲となった。
「モンスターズ・インク」(Monsters, Inc.)はビックバンドでは無く、コンボ編成でのアレンジ。作曲はピクサー映画に多く楽曲を提供しているランディ・ニューマン(Randy Newman)によるもの。ソプラノサックスのメロディーとソロが可愛らしい曲でサックスアンサンブルなどで演奏されることも多い。ディズニーシーの園内で、マーチングバンドがこの曲を演奏していることがある。

「メインストリート・エレクトリカルパレード」(Main Street Electrical Parade)は説明不要のナイトパレードで流れる曲。元は1967年にペリー&キングスレイ(Perrey & Kingsley)が作曲した「バロック・ホウダウン」(Baroque Hoedown)というタイトルだが、1970年代に「エレクトリカルパレード」のオープニングテーマ曲に採用されるようになった。こちらもコンボ編成でのアレンジで、アコーディオンが主旋律を演奏しており、軽快な曲に仕上がっている。
5曲目「アンダー・ザ・シー」(Under the Sea)もディズニー園内や吹奏楽、アンサンブルで大人気の曲。1989年のアニメ映画『リトル・マーメイド』の劇中で歌われた曲で、第62回アカデミー賞歌曲賞、第33回グラミー賞最優秀楽曲賞などを受賞している。ビッグバンドらしい、心弾むアレンジが施されている。
1951年、サミー・フェイン(Sammy Fain)により作曲されたのが、次の「不思議の国のアリス」(Alice in Wonderland)。以外かもしれないが、こちらもジャズの定番曲としてよく演奏されるナンバーなのだ。こちらもビッグバンドのサウンドが存分に活きたアレンジだ。
「チム・チム・チェリー」(Chim Chim Cher-ee)は、1964年のミュージカル映画「メリー・ポピンズ」の劇中で使用された曲。マイナー調の3拍子のリズムがクセになる渋いビッグバンドアレンジ。ホーンセクションのソロもクールでビッグバンドらしいキメも楽しむことが出来る。

「君はともだち」(You've Got a Friend In Me)は1995年のアニメーション映画『トイ・ストーリー』の主題歌として書かれた曲。ランディ・ニューマン(Randy Newman)により作詞作曲され、グラミー賞も受賞している人気の高い曲だ。このアルバムに収録されているバージョンは『トイ・ストーリー2』で使用されたロバート・グーレ(Robert Goulet)がボーカルのもの。元々がビッグバンドアレンジなので原曲がそのまま収録されている。
1946年公開のディズニー映画「南部の唄」の挿入歌「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」(Zip-a-Dee-Doo-Dah)はタイトルでは分かりずらいかもしれないが、メロディーを聞けばピンとくる人が多いだろう。こちらはビッグバンドではなく、コンボでのアレンジ。メンバーはギル・ゴールドスタイン(Gil Goldstein)、ビリー・キルソン(Billy Kilson)、ジョン・パティトゥッチ (John Patitucci)、そしてランディ・ブレッカー(Randy Brecker)と本物のジャズメン達が揃っている。特にランディのトランペットは素晴らしく、トランぺッターには是非聞いてもらいたいナンバーだ。
10曲目の「彼こそが海賊」(He's A Pirates)は2003年に公開した『パイレーツ・オブ・カリビアン』で使用された楽曲。こちらはビッグバンドアレンジで、原曲より民族音楽の要素が追加されている。また、フルートがフューチャーされているのでフルート奏者にもおすすめしたい。

「みんな猫になりたいのさ」(Everybody Wants to Be a Cat)は1970年公開の映画『おしゃれキャット』のエンディングで使用された曲。ビッグバンドジャズの演奏をバックに、ボーカルにはスティーヴ・タイレル(Steve Tyrell)が迎えられている。まさに「大人のジャズ」といったアレンジで非常にクールなナンバー。
次の「君がいないと」(If I Didn't Have You)は2001年のピクサー作品『モンスターズ・インク』の主題歌で使用された曲。ランディ・ニューマン(Randy Newman)作曲で彼が初めてアカデミー賞を受賞した記念すべき曲でもある。映画の主人公であるサリー(Billy Crystal)とマイク(John Goodman)のデュエットで、特にジャズやビッグバンドのアレンジが施されている訳ではないが、心弾む素晴らしい曲だ。
1961年のアニメーション映画『101匹わんちゃん』の悪役である、クルエラ・ド・ヴィル(Cruella De Vil)のテーマソングとして使用されたのが13曲目「町のクルエラ」(Cruella De Vil)
こちらも"Everybody Wants to Be a Cat"と同じく、バックにビッグバンド、ボーカルにスティーヴ・タイレル(Steve Tyrell)が迎えられている。

14曲目「これが恋かしら」(So This Is Love)は1950年公開のファンタジー映画『シンデレラ』の挿入歌。インストルメンタルアレンジで正統派なビッグバンドのサウンドを楽しむことが出来る。そのままビッグバンドのスタンダード曲として定着しそうなほどに完成度が高いアレンジだ。
ザ・ベアー・ネセシティ(The Bare Necessities)は1967年公開のアニメーション映画「ジャングル・ブック」で使用された曲。日本人シンガー綾戸智恵によるピアノ弾き語りアレンジ。
最後はピクサー制作、ディズニー配給による1998年公開のCGアニメーション映画『バグズ・ライフ』で使用された「タイム・オブ・ユア・ライフ」(The Time of Your Life)。こちらもお馴染みのランディ・ニューマン(Randy Newman)による作曲だ。ビッグバンドアレンジではないが、ランディらしい"フレンドリー"な楽曲。

Conclusion

ビッグバンドアレンジを中心にコンボやボーカルをフューチャーした曲も楽しめるのがこの『ディズニー ジャズ・アルバム~ビッグバンド・ナウ!~』(Disney's Jazz Album Big Band Now!)だ。
計16曲入りだが、最後まで飽きさせないアレンジで、アルバムの完成度としても非常に高い。
他にも「東京ディズニーシー® ビッグバンドビート」というタイトルで、複数枚アルバムがリリースされているが、この作品はビッグバンドやジャズ好きなど、ディズニーファン以外でも楽しめる作品だと思う。

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