『エクストリーム』(Extreme)は、アメリカのロックバンド、エクストリーム(Extreme)が1989年にリリースしたデビュー・アルバムである。
エクストリーム(Extreme)は、ボーカルのゲイリー・シェローン(Gary Cherone)、ドラマーのポール・ギアリー (Paul Geary)を中心にボストンで結成したバンド。
この二人は元々ドリーム(The Dream)と呼ばれるグループで活動していたが、1985年に新規バンドを立ち上げることを決意する。
そこからスィンフル(Sinful)で活躍していたヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)、1986年にはイン・ザ・ピンク(In the Pink)のドラマー、パット・バッジャー(Pat Badger)を迎え、本格的に活動を開始。
ニューイングランドで定期にライブを行い、徐々にファンを獲得していく。
結成から一年後には、ボストンで開催されるミュージック・アワードにて「最優秀ハードロック/ヘヴィメタル・アクト」を受賞。その翌年にも同賞に選ばれ、エクストリームの名がボストンからアメリカ全土へ広がりつつあった。
そして1987年、遂にエクストリームはA&Mレコード(A&M Records)との契約を獲得。
その2年後の1989年3月、セルフ・タイトル・アルバムとなる『エクストリーム』(Extreme)をリリースすることとなった。
デビュー・アルバムながら、好調に売り上げを伸ばし続けた『エクストリーム』(Extreme)は、ビルボード・チャートにて80位にランクイン。シングルカットされた”Kid Ego”も、チャート39位とまずまずの結果を残している。
A&Mレコードによれば、30万枚以上の売上を突破しており、商業的にも成功した作品と言えるだろう。
今作の特徴と言えば、何といってもヌーノ・ベッテンコートのギター。
サウンド的にはメタル、ハード・ロックに近いが、フレーズがキャッチーで聴きやすいのだ。
これはヌーノが敬愛しているヴァン・ヘイレン(Van Halen)からの影響を強く感じる。
そして忘れてはならないのが、16ビートを基調としたファンキーなフレーズ。
エクストリームが「ファンク・メタル・バンド」と称されているのは、ヌーノの黒人音楽から影響を受けたギタースタイルのおかげと言っても過言ではない。
また、ヌーノはギターソロでも素晴らしいテクニックを披露しており、ロック・ギタリストであれば参考になるものばかり。
さすがはアメリカが世界に誇る「ギター・ヒーロー」である。
もちろん、他メンバーもハード・ロックなプレイを披露しているため、アメリカンなロックを愛する人であれば、本アルバムもきっと気に入るはずだ。
また、バンド・メンバーによると「イギリスのロックバンド、クイーン(Queen)からも影響を受けている」とのコメントがある。
しかし、こちらについては個人的には余り”クイーンらしさ“はなく、ストレートなアメリカン・ハードロックだと思うのは、私だけだろうか?
Extreme - Track Listing
No. | Title | Writer | Length |
1. | Little Girls | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 3:47 |
2. | Wind Me Up | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 3:37 |
3. | Kid Ego | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 4:04 |
4. | Watching, Waiting | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 4:54 |
5. | Mutha (Don't Wanna Go to School Today) | Gary Cherone, LeBeaux & Hunt | 4:52 |
6. | Teacher's Pet | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 3:02 |
7. | Big Boys Don't Cry | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 3:34 |
8. | Smoke Signals | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 4:14 |
9. | Flesh 'n' Blood | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 3:31 |
10. | Rock a Bye Bye | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 5:57 |
11. | Play with Me | Gary Cherone, Nuno Bettencourt | 3:29 |
Extreme - Credit
パット・バッジャー(Pat Badger)- ベース、バックボーカル
ヌーノ・ベッテンコート(Nuno Bettencourt)- ギター、シンセサイザー、ピアノ、バックボーカル、パーカッション、オーケストレーション、ミキシング
ゲイリー・シェローン(Gary Cherone)- ボーカル、バックボーカル、デザイン、ロゴデザイン
ポール・ギアリー(Paul Geary)- ドラム、パーカッション、バックボーカル、ロゴデザイン