1981年にアメリカ合衆国カリフォルニア州で結成されたグループ、メタリカ(Metallica)。
40年以上に渡り活動を続けており、現時点でのトータルセールス枚数は1億2000万枚以上。グラミー賞も複数回受賞しており、2009年には『ロックの殿堂入り』も果たした、世界で最も人気のあるメタル・バンドだ。
今回紹介する『メタル・マスター』(Master of Puppets)は、メタリカが1986年にリリースした3rdアルバムである。
『メタル・マスター』(Master of Puppets)の製作を開始したのは、2ndアルバム『ライド・ザ・ライトニング』(Ride the Lightning)を発表した約1年後の1985年の半ばごろから。
作曲方法については、まずボーカリスト兼リズムギターのジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield)がギターリフを作成。それに他のメンバーで、メロディーやコードを付け足していくという方法で完成させたそうだ。
レコーディングが行われたのは、ドラマーのラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich)の故郷であるデンマークのスウィート・サイレンス・スタジオ。
本来はアメリカ国内にあるスタジオで収録する予定だったが、音響設備に納得が行かず、最終的にスウィート・サイレンス・スタジオを利用することにした。
メタリカはここで前作『ライド・ザ・ライトニング』(Ride the Lightning)の録音を行っていたため、信頼できる場所だったのだろう。
レコーディングは、1985年9月1日から27日に掛けて行われた。
楽曲のほとんどはスタジオに入る前に完成していたため、録音は順調に進んだものの、前作よりも多くの時間を費やすこととなる。
これは「より完璧な作品を作る」という野心を持っていたから。
また、メタリカは「メンバー全員が酒好き」として有名だったが、レコーディング期間はアルコールを摂取せず、録音やアレンジに取り組んだ。
当時の様子を、リードギターのカーク・ハメット(Kirk Hammett)は以下のように語っている。
「曲はある程度完成していたけど、最終的にどのような形になるのかわからなかった。あの時は間違いなくピークだったね。メンバーがひとつになり、同じ方向へ進んでいたんだ。」
そして1986年3月3日、メタリカ(Metallica)は満を持して3rdアルバム『メタル・マスター』(Master of Puppets)をリリース。発売から僅か3週間で30万枚の売り上げを突破し、リリースされてから72週連続でビルボード・チャートにランクインしている。
メタル・アルバムながら、現在までのトータルセールス枚数は脅威の約800万枚を記録。
これは、メタル・アルバムのセールス枚数として、最も高い数字である。
Master of Puppets - Track Listing
No. | Title | Writer | Length |
1. | Battery | James Hetfield, Lars Ulrich | 5:13 |
2. | Master of Puppets | James Hetfield, Lars Ulrich, Cliff Burton, Kirk Hammett | 8:36 |
3. | The Thing That Should Not Be | James Hetfield, Lars Ulrich, Kirk Hammett | 6:36 |
4. | Welcome Home (Sanitarium) | James Hetfield, Lars Ulrich, Kirk Hammett | 6:27 |
5. | Disposable Heroes | James Hetfield, Lars Ulrich, Kirk Hammett | 8:17 |
6. | Leper Messiah | James Hetfield, Lars Ulrich | 5:40 |
7. | Orion (instrumental) | James Hetfield, Lars Ulrich, Kirk Hammett | 8:27 |
8. | Damage, Inc. | James Hetfield, Lars Ulrich, Cliff Burton, Kirk Hammett | 5:32 |
Master of Puppets - Credit
ジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield)- ボーカル、リズムギター
カーク・ハメット(Kirk Hammett)- リードギター
クリフ・バートン(Cliff Burton)- ベース
ラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich)- ドラム