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2010年代アメリカン・ポップミュージックを代表する作品となったアルバム『ティーンエイジ・ドリーム』(Teenage Dream)- ケイティー・ペリー(Katy Perry)

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幅広い世代から圧倒的な支持を集めるカリフォルニア州出身の女性シンガー、ケイティー・ペリー(Katy Perry)。Twitterのフォロワー数は1億人を超えており、ここ日本でもケイティーのファンは多いだろう。
そんな彼女が「ビッグな存在」になるきっかけとなったのが、ケイティーが2010年にリリースした3rdアルバム『ティーンエイジ・ドリーム』(Teenage Dream)だ。

ディスコやパーティーサウンドが全面に押し出された今作は、初週売り上げ192,000枚を突破。シングルカットされたキャッチーな楽曲達は連日テレビやラジオで放送され、多くの人達の心を掴んだ。その結果、売上は伸び続け、アメリカ国内のみで300万枚以上のセールス枚数を記録した。
また、この人気はアメリカ国内のみに留まらず、イギリス、ヨーロッパ、アジアなどにも広がりを見せる。ドイツ、フランス、スウェーデン、イギリス、オーストラリアなど複数の国でプラチナディスクを獲得。そしてここ日本でもゴールドディスクを獲得し、全世界でのトータルセールスは600万枚を超えることとなった。

シングルカットされた7曲のうち、5つが米ビルボード総合シングルチャートで1位を獲得。これは、1枚のアルバムに収録された5曲のシングルで首位を勝ち取った史上初の女性アーティストという記録でもある。
また、2011年のグラミー賞では4部門にノミネートされ、ビルボード主催のBillboard Music Awardでは「トップ・ポップ・アルバム・オブ・ザ・イヤー」(Top Pop Album of the Year)にノミネート。

まさに、『ティーンエイジ・ドリーム』(Teenage Dream)は名実ともに、2010年代アメリカン・ポップミュージックを代表する作品へと成長したのだ。

Teenage Dream - Track Listing

No.TitleWriterLength
1.Teenage DreamKaty Perry, Lukasz Gottwald, Max Martin, Benjamin Levin, Bonnie McKee3:47
2.Last Friday Night (T.G.I.F.)Perry, Gottwald, Martin, McKee3:50
3.California Gurls (featuring Snoop Dogg)Perry, Calvin Broadus, Gottwald, Martin, Levin, McKee3:56
4.FireworkPerry, Mikkel S. Eriksen, Tor Erik Hermansen, Sandy Wilhelm, Ester Dean3:47
5.PeacockPerry, Eriksen, Hermansen, Dean3:51
6.Circle the DrainPerry, Christopher Stewart, Monte Neuble4:32
7.The One That Got AwayPerry, Gottwald, Martin3:47
8.E.T.Perry, Gottwald, Martin, Joshua Coleman3:26
9.Who Am I Living For?Perry, Stewart, Neuble, Brian Thomas4:08
10.PearlPerry, Greg Wells, Stewart4:07
11.Hummingbird HeartbeatPerry, Stewart, Stacy Barthe, Neuble3:32
12.Not Like the MoviesPerry, Wells4:01

Background & Reception

アルバムのオープニングを飾るのはアルバム名にもなっている"Teenage Dream"。レトロなサウンドが基調とされたミッドテンポのポップソングだ。"California Gurls"に次いで先行シングルとしてリリースされ、600万枚以上の売り上げを突破。世界各国の音楽チャートでは軒並み1位を獲得している。
アルバムのリリースにあたり、ケイティー・ペリーと歌手のボニー・マッキー(Bonnie McKee)は「若さ」をテーマに多くの曲を作曲した。しかし、これらはプロデューサーのベニー・ブランコ(Benny Blanco)とルーカス・ゴットワルド(Dr. Luke)により却下。ルーカスによれば「ブランコが良い曲と感じなければ、アメリカでは成功しない」との考えがあったようだ。

ある日、ブランコはフランスのシンセポップバンドである”The Teenagers”の”Homecoming”と言う曲をケイティーとボニーに聞かせた。これにインスパイアされた2人は、作曲家のマックス・マーティン(Max Martin)に共に曲作りを開始。順調に曲作りが進み、ブランコも納得のビッグ・チューンが誕生した。

2曲目の"Last Friday Night (T.G.I.F.)"は5枚目にシングルカットされ、400万枚以上を売り上げたダンスポップナンバー。この曲はケイティーが「友達と裸で公園を走り抜けた体験」を元に書かれたらしい。このストーリーを聞いた時、「この曲の弾けるような明るいメロディーはここからきているのか!」と妙に納得した記憶がある。
曲間の煌びやかなサックスソロはR&Bやファンク界で有名なレニー・ピケット(Lenny Pickett)。彼は1973年から1981年までタワー・オブ・パワー(Tower of Power)に在籍していたこともある。ちなみにミュージック・ビデオではケニー・G(Kenny G)がサックスを吹いているが、実際のレコーディングには参加していない。

3曲目の"California Gurls"はアルバムの内でも高い評価を獲得したディスコナンバー。アメリカのラッパー、スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)とコラボした曲でもある。先行シングルとしてリリースされ、スヌープが参加した話題性もあり売上は脅威の700万枚を突破。当時、アメリカやイギリスでは、この曲をテレビやラジオで聞かない日は無かったほどプレイされていた。タイトルの綴りが”Gurls”となっているが、これはアメリカのロックバンドであるビッグ・スター(Big Star)の"September Gurls"という曲から引用されている。
※本来の綴りはGurlsではなくGirls

またこの曲について、ケイティーは以下のように発言している。

「沢山のミュージシャンがニューヨークについての曲を書いているけど、そこで思ったの。『LAはどうなの?カリフォルニアについての歌はないワケ?』ってね。そこでカリフォルニアについて、特にカリフォルニアの女性についての歌を書くことにしたの。私達が経験した90年代のハウスミュージックのテイストをふんだんに盛り込んだ曲になったと思うわ。」

アメリカ国内のみで700万枚以上を売り上げた”Firework”も非常に人気の高いナンバーだ。作曲にはケイティーに加え、アメリカの歌手エスター・ディーン(Ester Dean)、プロデューサーのスターゲイト(Stargate)、サンディー・ヴィー(Sandy Vee)が参加している。徐々に盛り上がりをみせ、サビで爆発するまさにクラブミュージックにぴったりのダンスポップチューンと言えるだろう。

ケイティーはこの曲に以下のような願いを込め、作曲したようだ。

「みんな自分のアンセムソングがあると思う。アーティストとして、そういう曲を書くのは難しいと思う。でも、この曲には”誰かのアンセム”になってほしいという願いが込められているの。”Firework”は古臭くなく、それでいて洗練された曲に仕上がっていると思うわ。もし私が今作で1曲を選べと言われたら、”Firework”をチョイスする。素晴らしいビートに乗って、ファンタスティックなメッセージが込められているもの。」

また、この曲のMVも高く評価されており、2011年のMTVミュージックアワードでは、ザ・ビデオ・オブ・イヤー(the Video of the Year)も受賞している。

シングルカットされていないにもかかわらず高い人気を誇る曲が”Peacock”だ。本来はクジャクと意味だが、男性器を意味するスラング”cock”が不適切とされ、アルバムへの収録は反対されていた。しかし、ケイティーの強い希望によりアルバムに追加。結果、完成度の高いハウスミュージックとして、世界各国で愛されるナンバーへと成長した。ライブでは孔雀を模したパフォーマンスを行うことが多く、非常に高い評価を獲得している。

ルーカス・ゴットワルド(Dr. Luke)、マックス・マーティン(Max Martin)、アモ(Ammo)と作曲した”E.T”は、外国人との恋を歌ったヒップホップナンバー。この曲に使用されたトラックは、本来アメリカのヒップホップグループであるスリー・6・マフィア(Three Six Mafia)の為に書かれたものだった。しかし、スタジオで偶然耳にしたオリジナルのトラックをケイティーが気に入り、アレンジして使用することになったようだ。
4枚目のシングルとしてもリリースされ、このバージョンではラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)が参加したものを収録。第54回グラミー賞では2人でステージに上がり、この曲を熱唱している。

Teenage Dream - Credit

ケイティー・ペリー(Katy Perry)- ボーカル、ピアノ、ギター
アモ(Ammo)- ドラム、キーボード、プログラミング、プログラミングプロデューサー(Track 8)
クリス・アノクテ(Chris Anokute)- A&R
ベニー・ブランコ(Benny Blanco)- ドラム、キーボード、プログラミング、プログラミングプロデューサー(Tracks 1, 3)
ルーカス・ゴットワルド(Dr. Luke)- ドラム(1-3, 7-8)、キーボード(1-3, 7-8)、プログラミング(1-3, 7-8)、プロデューサー(1-3, 7, 8)
ミッケル・エリクセン(Mikkel S. Eriksen)- レコーディングエンジニア(4)、プロデューサー(5)、 インストゥルメンテイション(4-5)
ニコラス・エッシグ(Nicolas Essig)- アシスタントエンジニア
ファビアン・ウォルトマン(Fabien Waltmann)- シンセサイザー、ミュージックプログラミング(Track 10)
ジョッシュ・フリース(Josh Freese)- ドラム(tracks 6, 11)
チャールズ・マロン(Charles Malone)- ギター(Track 6)、アシスタントエンジニア
マックス・マーティン(Max Martin)- ドラム(1-3, 7-8)、キーボード(1-3, 7-8)、プログラミング(1-3, 7-8)、プロデューサー(1-3, 7-8)
フリオ・ミランダ(Julio Miranda)- ギター(Track 6)
モンテ・ヌーブル(Monte Neuble)- キーボード(Tracks 9, 11)
タッカー・ボディン(Tucker Bodine)- アシスタントエンジニア
ランディー・ウルバンスキ(Randy Urbanski)- エンジニア
ルイス・ナヴァロ(Luis Navarro)- アシスタントエンジニア
ニック・チャフワラ(Nick Chahwala)- ギター(Track 6)
クリス・アリオン(Chris "Tek" O'Ryan)- レコーディングエンジニア(tracks 6, 9, 11)、ギターエンジニア
ブレント・パシュケ(Brent Paschke)- ギター(Tracks 9, 11)
レオン・ペンダーヴィス(L. Leon Pendarvis)- アレンジャー(Track 7)、コンダクター
レニー・ピケット(Lenny Pickett)- サックス(Track 2)
ダニエル・シルヴェストリ(Daniel Silvestri)- ベース、ギター(Track 6)
スヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)- ボーカル(Track 3)
スターゲイド(Stargate)- プロデューサー
トリッキー・スチュワート(Tricky Stewart)- キーボード(9, 11)、プロデューサー、ドラムプログラミング(6, 9, 11)
ロブ・スティーブンソン(Rob Stevenson)- A&R
グレッグ・ウェルズ(Greg Wells)- シンセサイザー(track 10)、ピアノ(10, 12)、ドラム(10, 12)、プログラミング(10, 12)、プロデューサー(10, 12)
ウィル・コットン(Will Cotton)- フォトグラフィー

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