圧倒的なテクニックと表現力でアコースティックギターを奏でるギタリスト、トミー・エマニュエル(Tommy Emmanuel)。
彼がギターを始めるきっかけとなったのは、6歳の時に聞いたカントリーミュージシャン、チェット・アトキンス(Chester Atkins)のプレイだった。たまたまラジオから流れてきたアトキンスの音楽に感動したトミーは、ミュージシャンになることを決意。そこから彼のプレイを参考にし、ギターを学んでいったようだ。
トミーは10代の頃からプロギタリストとして活動しており、リーダーとして初めてアルバムをリリースしたのは24歳になる1979年。そこからコンスタントに作品を発表し、2020年現在までに25枚以上のアルバムをリリースしている。
その中でもお勧めなのが、今回紹介する『エンドレス・ロード』(Endless Road)だ。
トミーはアコースティックギターのソロ演奏という点において、「世界No.1のギタリスト」だと思う。その理由は、彼はソロギタリストでありながらもカントリー、ロック、そしてギターの基本であるブルースもしっかりと熟せるからだ。この辺りは彼に影響を与えたチェット・アトキンスのおかげもあるだろう。
2004年に発売された『エンドレス・ロード』(Endless Road)ではソロギターはもちろん、カントリーやブルースなど、トミーの様々なスタイルを堪能することが出来る。
また、収録曲にキャッチーなナンバーが揃っている点も、このアルバムをお勧めする理由のひとつだ。
アルバムのタイトルにもなった"Endless Road"から始まり、2曲目の"Tall Fiddler"は疾走感のあるアップテンポなチューン。美しいメロディーの"Angelina"は、トミーが娘のために作曲した楽曲であり、非常に人気が高いナンバーだ。
8曲目"Chet's Ramble"は、トミーの敬愛するチェット・アトキンスとの共作。こういった軽快なリズムをギターのみで表現できるギタリストは、世界でも数えるほどしかいないだろう。
他にもナット・キング・コール(Nat King Cole)がカバーした"Mona Lisa"や、『オズの魔法使い』で使用された"Over the Rainbow"など、知名度の高い曲も含まれている。
ソロギター奏者はもちろん、アコースティックギターのサウンドが好きな方であれば必ず楽しむことの出来る作品だ。
Endless Road - Track listing
No. | Title | Writer | Length |
1. | Endless Road | Tommy Emmanuel | 4:32 |
2. | Tall Fiddler | Tommy Emmanuel | 2:38 |
3. | (The Man with) The Green Thumb | Tommy Emmanuel | 3:20 |
4. | Bella Soave | Tommy Emmanuel | 2:22 |
5. | Morning Aire | Tommy Emmanuel | 5:56 |
6. | Angelina | Tommy Emmanuel | 3:41 |
7. | Windy & Warm | John D. Loudermilk | 2:48 |
8. | Chet's Ramble | Tommy Emmanuel, Chet Atkins | 2:42 |
9. | Son of a Gun | Tommy Emmanuel | 1:50 |
10. | The Robin | Tommy Emmanuel | 3:26 |
11. | La Vista | Tommy Emmanuel | 3:24 |
12. | Mona Lisa | Ray Evans, Jay Livingston | 3:53 |
13. | Christmas Memories/Wheels | Tommy Emmanuel | 3:23 |
14. | Old Town | Tommy Emmanuel | 3:04 |
15. | Somewhere Over the Rainbow | Harold Arlen, E.Y. Harburg | 4:21 |
16. | I Still Can't Say Goodbye | Tommy Emmanuel | 3:25 |
17. | Today Is Mine | Jerry Reed | 2:48 |
18. | Struttin' | Reed | 2:39 |
19. | Pegao | José Feliciano) | 6:20 |
Endless Road - Credit
トミー・エマニュエル(Tommy Emmanuel)- ギター、ボーカル
エリザベス・ワトキンス(Elizabeth Watkins)- バックボーカル