ジャミロクワイ(Jamiroquai)はリードボーカルのジェイソン・ケイ(Jason Kay)を中心とした、イギリス出身のアシッドジャズバンドである。1992年のデビュー以来、シングル・アルバムの売り上げは3,500万枚を越え、現在では「世界で最も成功したアシッドジャズ・グループのひとつ」と数えられている。
そんなジャミロクワイが1993年6月に発表した衝撃のデビューアルバムが『エマージェンシー・オン・プラネット・アース』(Emergency On Planet Earth)だ。
ジャミロクワイはこの作品を発表する前、シングルとして"When You Gonna Learn"、"Too Young to Die"をリリースしており、既にイギリスで高い評価を獲得していた。1993年2月に行われたロンドンのブリックストン・アカデミーのライブでは、2曲しかリリースしていない新人アーティストにもかかわらず、5000人を集めオーディエンスを熱狂させた。
そんな人々の大きな期待を更に上回った1stアルバムが『エマージェンシー・オン・プラネット・アース』(Emergency On Planet Earth)なのだ。宇宙的なサウンドで注目を集めた今作は、リリース直後から世界各国で好評を博し、複数の国の音楽チャートにランクイン。定期的に売り上げを伸ばし、現在までに200万枚以上の売り上げを突破している。
サウンド面でも、他のアシッドジャズ・バンドと一線を画している箇所がある。
それは、「楽器の生演奏」に重きを置いているというところだ。ゲイリー・バーナクル(Gary Barnacle)のフルートやジェイ・ケイ自身がアレンジしているホーン・セクションはジャミロクワイ(Jamiroquai)の代名詞とも言える。そして忘れてはいけないのが、当時19歳のベーシスト、スチュアート・ゼンダー(Stuart Zender)のファンキーなプレイ。ゼンダーのセンス溢れるベースラインは多くの人間を魅了し、現在でも多くのベーシストが彼による影響を受けているほどだ。
全曲を通して楽しめる作品であり、捨て曲はなし。知名度が高いのはシングルカットされた"When You Gonna Learn"、"Too Young to Die"。バンド的なサウンドを楽しみたいのであれば、タイトル曲の"Emergency on Planet Earth"、ファンキーなサウンドがお好みの方は"If I Like It, I Do It"、"Blow Your Mind"がおすすめだ。
Emergency On Planet Earth - Track Listing
No. | Title | Writer | Length |
1. | When You Gonna Learn (Digeridoo) | Jay Kay | 3:50 |
2. | Too Young to Die | Jay Kay and Toby Smith | 6:05 |
3. | Hooked Up | Jay Kay and Toby Smith | 4:35 |
4. | If I Like It, I Do It | Jay Kay, Nick Van Gelder | 4:53 |
5. | Music of the Mind (instrumental) | Jay Kay and Toby Smith | 6:22 |
6. | Emergency on Planet Earth | Jay Kay and Toby Smith | 4:05 |
7. | Whatever It Is, I Just Can't Stop" | Jay Kay, Wallis Buchanan | 4:07 |
8. | Blow Your Mind | Jay Kay and Toby Smith | 8:32 |
9. | Revolution 1993 | Jay Kay and Toby Smith | 10:16 |
10. | Didgin' Out (instrumental) | Jay Kay and Toby Smith | 2:37 |
Emergency On Planet Earth - Credit
ジェイソン・ケイ(Jason Kay)- ボーカル
ウォーリス・ブキャナン(Wallis Buchanan)- ディジュリドゥ
トビー・スミス(Toby Smith)- キーボード、ストリングアレンジメント
スチュアート・ゼンダー(Stuart Zender)- ベース
ニック・ヴァン・ゲルダー(Nick Van Gelder)- ドラム
ゲイリー・バーナクル(Gary Barnacle)- フルート、サックス
サイモン・バーソロミュー(Simon Bartholomew)- ギター
グレン・ナイチンゲール(Glen Nightingale)- ギター
DJディザイア(DJ Dzire)- ターンテーブル
コフィ・カルカリ(Kofi Kari Kari)- パーカッション
マウリツィオ・ラヴァリコ(Maurizio Ravalico)- パーカッション
リチャード・エドワーズ(Richard Edwards)- トロンボーン
ジョン・サーケル(John Thirkell)- トランペット、フリューゲルホルン
アンドリュー・レビー(Andrew Levy)- ベース
ギャビン・ドッズ(Gavin Dodds)- ギター
[Guest]
マイク・スミス(Mike Smith)- サックス、フルート
リンダ・ルイス(Linda Lewis)- バックボーカル
ヴァンネッサ・サイモン(Vanessa Simon)- バックボーカル
レゲエ・フィルハーモニック・ストリングス(The Reggae Philharmonic Strings)
ジェイソン・ケイ(Jason Kay)氏のコメント
やっと僕の意見を発信するチャンスが出来た!
僕はこの生きづらい世の中で、最も幸運な人々の一人に違いない。
しかし、それは簡単なことではないことは理解している。
なぜならば、この素晴らしい世界において、”最も危険な動物”が兄弟や母親、または”紙切れ”を手に入れる邪魔をする者”を殺し続けているからだ。
その両面に絵が印刷された”紙切れ”が多ければ多いほど、幸せになると信じている人たち。
誤解しないでほしいのだが、お金は必要だし適切に使えば問題はない。
例えば、恵まれない子供達に食事を与えることも出来る。
また、ブラジルだけでなく、地球規模の熱帯雨林を保護したり、僕たちがスペースをシェアしている素晴らしい生き物たちを守ることにも使える。
あなた達も知っているとおり、欲深い人間達に勝つには彼らの用意するゲーム上で闘うしかない。
貧乏な人間は貧乏な人間を救うことは出来ないのだ。
僕たちが毎年国に払っている税金を、緑地やオックスファム、この地球に使えれば、事態はより明白なものになるだろう。
僕たちは、この地球を救おうとしている人たちに財政的な援助をしなければならない。死にかけている人たちが少しでも早く死ねるよう、武器や兵器を売っている奴らよりもだ。
僕達の一番大きな問題である人口問題、言い換えれば”第三世界”は、重要でない人間が死んでしまえば解決する。
僕達が抱えている全ての問題は、無駄遣いをせず、無駄の多い人間にならないことだ。(それは僕達が悪いわけではなく、僕達がそのように教えられているからなのだが)
人々や、この地球全体の死をもたらす、債務を一掃することで、哀れみと正義を見せなければならない。
いくつかの国は、自国の金を増やすために生命の源であり、私達に命を与えている木を切り倒している。そしてその代わりにビルを建て、都市を作り出している。
1本の木には、1,000人以上の魂が含まれているのに、だ。
もし僕らが本当に良い教育を受けていたならば、”カルマの法則”についても理解していたかもしれない。
コロンブスはアメリカにたどりつき、すべての金を持ち去り、インディアン達の奴隷にした。しかし、彼らがコロンブスや彼の仲間たち(即ち私達でもあるのだが)に与えたものを見てみよう。それはやっと全体を把握できてきたものの、弱いものや貧しい人達、そして裕福で退屈で無益なものたちにもかかわってくる。
“払い戻し”が必要な時がきたのだ。
自然の法則、歴史を紐解いてみれば、それは誰の目にも明らかである。
ネイティブ・アメリカンの方達、とくにイロクアイ族の皆さんへ
僕がなぜジャミロクワイが”イロクアイ”という名前を元にしているか聞かないでください。この名前は自然に発生したものなのです。これはあなた達に対するリスペクトでもあり、あなた達が正しいと感じているからです。
僕はあなた達がこれを理解してくれることを願っています。
いつも思い出してください。
多くの白人が、あなた達と同じように考えている、即ちネイティブ・アメリカンの兄弟、姉妹が元通りになるように願っている人たちもいるのです。